アドブロックするのなら、あなたのパソコンでマイニングさせて

Webメディアにとっての永遠の課題と言えるマネタイズ。バナーやアドネットワーク、通販などなど、さまざまな手法が生まれましたが、米国の老舗ジャーナリズムサイトが打ち出した新手法はなんと…。物議を醸すのは承知の上なのでしょうね。

老舗Salon.comがWebマイニングを導入した理由

米国の老舗ジャーナリズムメディアである「Salon.com」が、サイト訪問時にアドブロックをするユーザーに対して、アドブロックを切ってもらえないのであれば、代わりにユーザーのCPUリソースを仮想通貨のマイニングに使わせてもらう、という施策を打ち出したというニュースを読んで、スゴ!と感心しました。

Salon is using adblocking readers’ CPU power to mine cryptocurrency
Salon.com wants to use your PC to mine cryptocurrency

彼らが導入したのは、報道によれば「Coinhive」というサービスです。昨年(2017年)、The Pirate Bayという主に海賊ソフトの検索に使われる人気サイトが、(当初は)ユーザーに無断で埋め込んでいたというので一悶着あったのもこのサービス「Coinhive」でした。「Coinhive」のコード(JavaScript)をサイトに埋め込むと、ユーザーのCPUリソースを拝借して仮想通貨のマイニングを行い、サイト運営者はそれによる収益の一部を手にすることができるというもの。

The Pirate Bayはなんというか、かなりカウンターカルチャー的なサイトなので、こういう試みをやるのはいかにもありそうな話ですが、「Salon.com」のような老舗サイトが始めたというのが大胆で面白いと思った次第です。Salon.comにアドブロックしてアクセスするとアラートが出て、「私たちはコンテンツを無料で皆さんにお届けするために、広告に頼っています。どうかアドブロックを切っていただけませんか。そうすることで、あなたにここで楽しんでいただけるコンテンツを作り続けることができるのです」というメッセージが表示され、その後にアドブロックを切るか、仮想通貨のマイニングをするかの選択肢が示されます。

salon.com引用:Salon.com

仮想通貨でメディアをマネタイズできるか?

ここでCPUリソースを借りてマイニングしたからといって、広告分を補填するほどの収益が上がるとは思えませんが、Salon.comがCoinhiveを導入したのには、アドブロックに対するメディア側からの問題提起とか、サイト運営のためのアピールといった意味もあるのだろうと想像します。
アドブロックはユーザーにとって有益なものだと思われていますし、実際、自分だってスマホの広告ウザ!とか思ってしまいますが、じゃあ別の形でコンテンツプロバイダーに支払う気はあるの?と言われると、(一部のコンテンツに対して以外は)あまりないというのが正直なところです。そして多くのユーザーも同じ気持ちだと思います。であれば、Coinhiveのような仕組みを使ってマネタイズの足しにするという考え方もアリかもしれないと思えてきます。実際に自分のパソコンでマイニングされたらなんかちょっと肌感としては気持ち悪いかもしれませんが。。
(※Coinhiveのサービス自体が安心できるもの・優れているものということではないです。これをマルウェアの一種とみなす人もいます)

Webメディアにとってマネタイズは20年来の課題と言えるでしょう。純広、アドネットワーク、記事広告、アフィリエイト、物販、有料コンテンツ、有料セミナーなどなど、さまざまな集金モデルを検討し、最適な組み合わせを探して試行錯誤するというのが一般的なのではないでしょうか。そこに、マイニングという選択肢が登場するのは、近年のネット事情からするとあり得る流れのように見えます。

仮想通貨繋がりで思いつきで言うと、そのメディア独自の仮想通貨を開発してICOし、その仮想通貨を使ってメディアを運営するというようなモデルもないこともないのかも知れません。2018年初頭に暴落したとはいえ、まだ仮想通貨はバブっていますから、ICO時にはある程度まとまった資金調達ができるでしょう。
そのメディアを支持するユーザーは、そのメディアの仮想通貨を買うことで支援ができますし、その後、その仮想通貨で同メディアのコンテンツやサービスを買うことができます。ライターやグラフィッカーなどのコントリビューターには、ギャラをその仮想通貨で支払ったり(受け取らないかも)。広く市場に流通する規模なら、運用によって金融的な収益を上げ、資産を増やし、メディアに再投資することもできるのでは。。
まあ、妄想ですね。