ラップをめぐる情報を「翻訳」し正しく「キュレーション」するFNMNL

※スプー社の定例会議での会話より。

kawakazu
毎日チェックしているウェブメディアってある?
swd
新しいところだと、昨年立ち上がった「FNMNL(フェノメナル)」はよく見てます。音楽とファッションのカテゴリーを中心にしたメディアですね。
kawakazu
カルチャー系のメディアはいろいろあるけど、この2分野の組み合わせはありそうでなかったかも。
swd
音楽にしてもファッションにしても、海外のストリート寄りの情報を積極的に拾っていて、メディアとしての統一感があるなあと。
カルチャーメディア「FNMNL」
カルチャーメディア「FNMNL」
kawakazu
音楽だとラップの情報が多いものね。海外メディアだけど「Pitchfork」もラップに強いでしょう。近いところはあるのかな。
swd
Pitchforkはいわゆる音楽ニュース……音源のリリース情報なんかが中心ですけど、FNMNLの場合はそういった情報に加えてトピカルな「出来事」をたくさん紹介しているんですね。
kawakazu
ゴシップ的なものとか?
kawakazu
そういう情報が重要なの?(笑)
swd
いや、意外と重要なんですよ! メジャーなラップ・ミュージックって、あるラッパーのアクションに対して誰かがリアクションして、それが全体に波及して……という感じで、シーン全体で動いているんですよね。よく言われることですけど。
swd
だからFNMNLで紹介されているような出来事を知ることでシーンの状況が見えてくる。インディー・ロックだったら音源を聴いているだけでもOKだと思うんですけど、ラップの場合、音源だけではよくわからないことがたくさんあるんですよね。
kawakazu
なるほどね。取り上げている情報はどうやって得ているんだろう?
swd
おそらく、SNSや海外メディアを細かくチェックしているんだと思います。
kawakazu
そうやって足を使って集めた情報を翻訳して提供している。ウェブにおいて、海外のカルチャー情報を翻訳することはまだ価値があるってことかな。
swd
パイとして大きいかどうかはわからないですが、求められてはいると思います。少なくとも、自分はとても重宝していますね。
swd
FNMNLに関しては「翻訳」に加えて「キュレーション」もポイントだと思います。情報を網羅的にチェックしたうえで、トピカルなもの、重要なものだけピックしている。そのフィルターのかけ方がリスナー目線で、信用できるなあと。
swd
海外のカルチャー情報なんてあまりに膨大で、つぶさにチェックできないじゃないですか。となると、やっぱりキュレーションは重要で。「キュレーションメディア」というと、なんだかイメージが悪くなってしまいましたが、FNMNLはその言葉本来の仕事を正しくやっているなーと思いますね。
kawakazu
若い子もこういう情報を求めているのかな?
swd
正直なところ、海外の情報を積極的に求めている若い子はそんなに多くないんじゃないですかね……。でも、だからこそ、FNMNLのようなメディアは意義深いと思うんですよ。海外のことに関心を持つ足掛かりになりますから。