マルチプラットフォーム時代にメルマガが復権する理由を考えた

(CC BY 2.0) by davide vizzini
(CC BY 2.0) by davide vizzini

商業メディアが自前のドメインに執着する動機が以前よりは薄くなってきているようです。ずいぶん前から多くの人がそうであるように、ソーシャルメディアでのシェアやニュースリーダーからコンテンツを読むのがもっとも一般的な購読経路でしょうし、近頃は本体サイトにランディングさせずに全コンテンツをその場で――ソーシャルメディアのタイムラインやGoogleの検索結果画面やスマートニュースの画面で――すべて閲覧させることも増えているからです。

この商業メディアのトレンドは、非メディア企業が所有するオウンドメディアにおいても、これからもっと考えないといけない課題のような気がします。従来は、ソーシャルメディアやニュースリーダーのリンクから、オウンドメディアサイトにランディングさせていたので、とりあえずそのオウンドメディアサイトのPVがKPIになったりしがちでした。でも、もうそこに連れて来るステップすらウザいと読み手が感じ始めているとしたら、その場でコンテンツを閲覧させて、その場でブランディングなり製品理解なりを進める必要が出てきます。

コンテンツの容れ物がマルチ化すると、じゃあ、たくさんあるうちのどれとどれとどれのプラットフォームにコンテンツを配信すればいいのか?という悩みが生まれてきます。順当にはFacebookだったりTwitterだったりLINE@だったり、将来的にはSnapchatだったりするのかもしれません。また、PRコンテンツと認定されないようなオウンドメディアなら、ニュースリーダーやハブメディアへの転載も推進したくなるでしょう。

The Skimm。ミレニアル世代の女性向けニュースレター。筆者(50代男性)のメールボックスに毎日届く。。
The Skimm。ミレニアル世代の女性向けニュースレター。筆者(50代男性)のメールボックスに毎日届く。。

そんな中で、メールマガジンにも再び(控えめにですが)光が当っているの「かも」しれない気配を感じます。
The Skimmというミレニアル世代の女性向けニュースレターが米国で成功しているそうですし、The Hustleというミレニアル世代のこちらは男性向けのニュースレターも人気なんだそうです(とDIGIDAYに書いてました)。
どちらも、その世代ならではのリアルでフランクな語り口で作られた記事というところが共通しているように思われます。

The HustleのWebサイト。トップページはサブスクライブのフォームしかない。
The HustleのWebサイト。トップページはサブスクライブのフォームしかない。

(個人的にも、タイムライン経由だとどうしても話題が偏るので、朝夕に新聞社サイトが送ってくるヘッドラインのメルマガからざっとその日のニュースを確認する習慣がむしろ最近になって付きました。まあ、これらは自前サイトへのランディングになりますが)

The SkimmやThe Hustleはちょっと特殊な事例かも知れませんが、マルチプラットフォームだからといって、なにも新しいプラットフォームだけが対象である必要はないはずです。コンテンツ間の競争の激しいSNSやニュースリーダーアプリよりも、むしろメルマガの方がそのメディアがユーザーにとっての特別なポジションに就ける可能性があるというのもない話ではないように思います。オフィスでもメールはいまも重要なプラットフォームですし、スマホにしたってメールアプリは必ず入っています。100%のインストールベースがあると考えると、これを無視する手はないでしょう。

また、SNSのタイムラインやニュースリーダーと違って、メールは「1通」というパッケージ感がまだ強く、送信元とコンテンツがしっかり紐付いているという特性もあるので、その意味では、自前ドメインのサイトと同じような、デザインやビジュアルからのブランディングがしやすいですし、定期的・継続的な語りかけができるというのも特徴と言えそうです。

うーん、メルマガ意外といいんじゃないかなーと書いててそんな気がしてきました。