YouTubeの6秒広告は、クリエイターに快楽をもたらすのか

YouTubeが今月より途中でスキップできない6秒以内の動画広告サービス〈Bumper〉をスタートさせると発表されました(日本でのスタート時期は現時点で不明です)。Googleによる最新の調査ではYouTubeユーザーの大半がモバイルで視聴しているという結果が出たようで、この〈Bumper〉はモバイル向けを想定されている〈snackable videos〉なのだとか。限られた、しかもかなり短い時間の中に想いを込めるという意味なのか、Inside AdWordsでは〈俳句〉と表現されています。

動画広告というと15~30秒くらいの間に必要情報と何かしらキャッチーな印象的ものが入っているのが一般的と思いますが、6秒にどちらも入れるのはチャレンジし甲斐があるとは言え、少し大変そうです。そうなると前者か後者、あるいはまったく異なるアプローチで制作をする必要があるのかと思います。これについてGoogleは「creative communityがどのように使うのか楽しみ」とコメントしているので、期待しているのは新しい視点のようです。そう考えると次々に新しい表現手法が出てきそうなので、しばらくは様々な企業の新たな取り組みを見る楽しみが増えそうです。

サービスインに先駆けて自動車メーカーのAudiが〈Bumper〉用の短い動画をアップしましたが、個人的には「うーん……?」といった印象。そもそもこれは長い〈TrueView〉広告から切り出したものなので、まだ実験段階なのかもしれません。

一方で、Web上での6秒動画といえばVineをすぐに思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。別に広告利用に限ったサービスではありませんが、欧米では大手企業などがこぞって参入していますし、国内だと大塚製薬がオロナインやポカリスエットで活用していたのが記憶に新しいです。また高校生など若い世代を巻き込んだ〈Vine部〉でも企業タイアップ動画を作ったりと短い動画でのプロモーション事例はごまんとあるので、そうなるとやはり前述の新しい視点というところがアイデンティティの肝となりそうです。

ちなみに以前有名Vinerの方にお話を聞いたことがあるのですが、その方が言うには動画をつくるうえで何よりも大事なのは「きれいにループさせること」だそうで、美しく決まった時には何ものにも代え難いほどの快楽を得られるのだとか。それは別ユーザーがアップしたものでも感じる(そして信じられないほど嫉妬するのだそう)もののようで、〈Bumper〉はループさせることが目的ではないかと思いますが、もしかしたら同じような快楽をクリエイターにもたらすのかもしれません。

まだ始まっていないサービスなのですべて憶測ではありますが、成熟した頃にぜひクリエイターの方々にお話をお伺いする機会があればなと思っております。