文化系のためのヒップホップ入門

ライターの長谷川町蔵さんと、アメリカ文学/ポピュラー音楽研究者の大和田俊之さんが、ヒップホップ全史を対談形式で解説。マッチョでヤンキー乗りのこのジャンルを、文化系=門外漢に向けて優しく解いた入門書です。
ヒップホップの誕生=オールドスクール期から、デ・ラ・ソウルらがその可能性を拡張させたニュースクール期、さらにジャンルとしての成熟を遂げた90年代……ここまでは、文化系リスナーの間でも何度も語られてきた領域だと思います。既成の作品を「サンプリング」という手法で作られる先鋭的な音楽として。本書中の言葉を借りれば「ポストモダン」な音楽として。
しかし、サンプリングが使われなくなり、打ち込み/シンセ主体のブリンブリンな音楽と化した00年代以降のヒップホップについては、なかなか語られる機会がなかった。実際、この辺からヒップホップが縁遠くなってしまった人は多いんじゃないでしょうか。私がまさにそうなんですが。
本書は、そんな00年代以降のヒップホップ状況もがっちり語り倒しており、そこが素晴らしい。音楽の新たな聴き方を提示してくれる一冊でした。
(澤田大輔)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)
長谷川町蔵 大和田俊之
4903951472