「欲しいものがない」時代に欲しいものを創り出すエンジン

話題のモノ繋がりSNS sumallyを試してみたのだが、これはけっこう面白いかもしれない。
モノに特化したtumblrみたいな構造の(たぶん)日本発のサービスだ。tumblrはなんでも流せるが、sumallyは基本的に「欲しいモノ」か「持ってるモノ」を流す。
いまは有名なオシャレピープルがたくさん
初期ユーザーとして参加していて(きっと初期のキュレーター役として事前にアサインしたんですよね)、その人たちがいいものをたくさん登録してることもあって、タイムラインに流れてくるモノのセンスがよくて、現時点ではそれも面白いと思わせる大きな理由だろう。
やっぱりこういう「仕込み」はサービスロンチ時にはすごく大事なんだなーとつくづく思った。最初に使ってみたときにどうでもいいものしか流れてなかったら、もう二度とそのサイトにはやってこないだろう。
センスのいいものが流れてくると、自分も「want it」(それほしい)をクリックするので、それがまた自分のフォロワーにも流れて行って、どんどんwantが連鎖していく、というこのサービスの全体像がすぐに体験できる。
僕はあまり物欲のあるタイプの人間ではないのだけど、それでも、フォローしているユーザーが登録したモノが流れるのを眺めていると、これイイ!欲しい!と思わせるものがけっこうある。ストリームでどんどん購買する可能性のあるモノが流れていくこの構造は、「欲しいものがない」時代に欲しいものを創り出すエンジンとして優れているかもしれない。
2000年代後半まで世界経済をけん引していたアメリカ人の消費行動がリーマンショック以降、大きくかつ本質的に変化してきているということを書いてる『スペンドシフト』という本がある。帯にあるまとめを引用すると、スペンドシフトとは――、
自分を飾るより→自分を賢くするためにお金を使う
ただ安く買うより→地域が潤うようにお金を使う
モノを手に入れるより→絆を強めるためにお金を使う
有名企業でなくても→信頼できる企業から買う
消費するだけでなく→自ら創造する人になる
という変化なのだそうで、お金の使い方に対するアメリカ人の意識革命みたいなものだ。
日本人はもっと前からそうだった気もするが、こういう流れは実感としては確かにあって、それは新しい消費のかたちを創り出しもするだろうが、短期的にはモノを売れなくする作用があるだろう(米国の経済が弱まってる原因のひとつかもしれない)。
そういうモノが売れにくい状況下で、モノと人を上手に出会わせることが出来たら、出会えた人は人生が豊かになってハッピーだし、メーカーはモノが売れてハッピーになれる。sumallyがそういう、健康的な物欲の活性化装置になったら面白いだろうなと思った。

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―
ジョン・ガーズマ マイケル・ダントニオ 有賀 裕子(あるが ゆうこ)
4833419661