まともな電子雑誌を金を払って買いたい

すごいタイミングでGoogleがデジタルコンテンツの支払いサービス(One Pass)を発表したそうだ。アップルが発表した定期購読サービスにぶつけてきたんだろう。内容的にも料率がアップル30%に対してこちらは10%なので、アップルのモデルにはブーイングが巻き起こってる一方で、Google One Passは好意的に受け入れられているような構図になってる。
どうなんだろう。確かに
AppStoreの30%はボッってると思うし、自社サイトでのアプリ購入に誘導するリンクが禁止というのはひどいと思うし、コンテンツによっては(たとえばTechCrunchが取り上げていた音楽ストリーミングサービスのように)壊滅的な影響を受けるものもあるかもしれない。ただそれでも、AppStoreで定期購読サービスが始まることに可能性を感じるコンテンツプロバイダがいることも確かだろう。
特に日本だと、Androidはこれからなので、まずはiPhoneアプリ市場でアドバンテージを取って、、みたいに考えるコンテンツプロバイダは多そうだ。なにしろ現状のAppStoreのブックカテゴリなんて115円の電子書籍が目白押しで、そんな値段だから利益なんてロクに出ないけど参入者が後を絶たないのだ。
もちろん、Google One Passが魅力的なのも言うまでもない。こちらはアプリに限った話ではないので、Webページも含め、いろんなフォーマットのコンテンツを有料で販売するシステムが簡単に手に入る。
有料コンテンツの夢は、商用Webが誕生して以来、何度となくコンテンツプロバイダを魅了しては絶望させてきた経緯があるけど、こんどはどうなのか。
米Wired誌の記事「The Web is dead」でもあらゆるコンテンツが無料への圧力を受けるWebに対して、アプリという商圏への期待感が語られていたけれど、僕も、まだしも購読料を取れるのはアプリというフォーマットだと思う。個人的にはオープンなWebのフォーマットのほうが好きだが、Webのコンテンツからお金を取るのは、感覚的なところでこれからも引き続き難しい気がする。
iPadで読む雑誌、というカテゴリは既にいくらでもあるようなイメージがあるが、実際には既存の雑誌の誌面レイアウトをそのまま落とし込んだものでしかなく、これはどう考えても紙の雑誌の粗悪な廉価版でしかない。これからはタブレットに特化したレイアウトのものでまともなものがどんどん出てくる必要があり、この分野はほんとこれから、という気がする。そしてそういうコンテンツには、定期購読モデルが最適だろう。
ここに有料コンテンツの商機があるんであれば、毎月30%取られても商品を出したいコンテンツプロバイダはたぶん少なくない。これからタブレットはもっと軽く薄くなり、そうなれば現在のモバイルノートPCの座を次第に奪っていくと僕は思っているのだが、その時には現在の紙の雑誌の多くは、タブレットに最適化した有料アプリとして供給されるに違いないし、そうであるべき(すべてがウェブ版の無料ビジネスにならないほうがいい)とも思っている。
無料のウェブは僕も大好きだが、でもいま自分が金を払って買ってる雑誌なら、それのタブレット版にも金を払う気は全然ある。無料では作ることが難しいコンテンツというのがたしかに存在するからだ。
※写真はタブレットに特化したレイアウトを持つ米WiredのiPadアプリ版。