エロい自転車が教えてくれること

最近家に帰ると、ネットで官能的な写真を見続けて止まらなくなってしまうのだが、その被写体は肌色のそれではなく、主に鉄やアルミでできている。
自転車はエロい。そして好みの異性のタイプがあるように、自転車もどんなタイプのものにフェティッシュな欲望を抱くかは人それぞれのようだ。
僕の場合はもっぱらツーリングバイクだ。現代的なロードレーサーもいいけど、そそられるのはそのタイプじゃない。
日本でも自転車旅を特集した雑誌やムックをよく見かけるようになってるが、米国では近年ツーリングバイクに人気があるらしく、僕好みのチャリ画像が大量にネットに転がっているのだから、たまらない。
僕がよく見てるのは、
この人↑(EcoVelo)の写真は本当に素晴らしい。自転車もセクシーだし、写真も出来すぎなくらいきれいだ。
米国の現在のツーリングバイクの定番的な仕様は、クロモリのちょっとクラシックなシクロクロス的なフレームで、サドルは英国Brooksの革サドル。ハンドルはドロップが多いけど、ムスターシェ(こういうの)と呼ばれるドロップハンドルを上からつぶしたようなハンドルも見かける(70年代日本でセミドロップと呼んでいたものに似ている)。シフター(変速レバー)はバーエンドシフタ―と呼ばれる、ハンドルバーの両端に付けるタイプのものがよく使われている。このムスターシェ+バーエンドシフタ―の組み合わせがたいへんそそるのだ。日本でツーリングバイクというと70年代に流行したランドナーと呼ばれるフランスルーツの独特のスタイルがあり、最近はランドナーはリバイバルもしているのだが、僕はランドナーよりもシクロクロスフレーム+ムスターシェハンドル+バーエンドシフタ―の米国風のパターンに萌える。
(とは言え、米国のサイクリストからも日本のランドナー文化はリスペクトされているようだ)
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例えば(シクロクロスフレームではないが)これ↑とか(CC by mindfrieze
これとか(ああこれもシクロクロスフレームではない)、
(ムスターシェではないが)これとか
そして、キャリア(荷台)だ。東京でもキャリアを付けた自転車が少し増えているような気がしているのだが、どうだろうか。キャリアはグラマラスだ。キャリアが付いているだけでも魅力的なのだが、キャリアの両サイドにパニアバッグという自転車専用バッグを装着し、リアだけだけじゃなくフロントにも付けた超グラマーなバイクには相当悩殺される。
(ただ、この場合はフォルム的に美しいというよりも、そこから連想される旅に憧れているだけかも)
Fully Loaded Touring Bicyclesに行くとこの手のフル積載バイクをたっぷり楽しめる。
あと、板金のフェンダー(泥除け)も大いにフェティッシュの対象なのだが、僕はこれから勉強という感じで、自分の自転車にもまだ付けたことがない。
ところで、日本はきめ細やかでこだわりのあるモノ作りが得意で米国は高効率化されていてグローバルでおおざっぱというのは、ステレオタイプな幻想かもなーと、自転車関連のサイトをめぐっていて思わせられた。
Linus BikeVelo ORANGEのような、美しくオールドスクールな自転車を作る新しいブランドがあったり、100年以上も自転車のカゴを作り続けているメーカーがあったり、トラディショナルなデザインのキャンバスの自転車用バッグを作っているメーカーがあったり、
日本の老舗フレーム工場やパーツメーカーをリスペクトしていたり、
まあ、一部のサイトを見てるだけの印象論でしかないのだけど、なんかモノにフェティッシュなこだわりを持っているのはどっちかというと彼らのように見えてくる。実際のところはどうなんだろう。
自分のセンスで美しく組み上げた自転車に愛情を注ぐ姿というのは、僕には人間の姿勢としてとても好ましいもののように感じられる。100均と270円居酒屋みたいなデフレカルチャーの波に洗われている僕らには、気づかされることがいろいろある。
Photo: CC by rperks1