リチウムについてのメモ

  EVは社会を大きく変えるだろうけど、EV普及の鍵(もしくはネック)になるのは、やはり電池の問題で、EVの電池と言うと、いまのところ現実的にはリチウムイオン電池ということになる。
  そうかーリチウムこれからますます超重要だよなーということで、ちょっとネットで拾った情報をまとめてみた。
  リチウムイオン電池の原材料のリチウムは地上ではかなり偏在していて、ほとんどは
南米に埋蔵されている。
  チリ、アルゼンチン、ブラジル、そして世界最大の埋蔵量があるのがボリビア。埋蔵量全体(1400万トンという数字をよく見かける)の半分近くだとか35%だとか言われている。いずれにしてもすごい量だ。
  で、そのボリビアにある巨大なウユニ塩原に、いま、リチウム鉱山と処理プラントの建設プロジェクトが進められていて(塩原には多くの場合、リチウムが堆積している)、日本や中国を含む世界中の企業や投資家が参加しようと躍起になっているんだそうだ(日本からは三菱商事、住友商事など)。
社会主義的な政策をとるボリビアのモラレス政権は自国の資源を国有化していて、リチウムの採掘権も国有だ。

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  中東の産油国が世界の政治経済に大きな影響力を持っているように、これからは南米のリチウム産出国が大きな影響力を持つようになるかも知れない。EVへの移行には(特にアメリカにとっては)石油への過度の依存にともなう地政学的リスクを分散する意味もあると思うのだけど、リチウムをめぐってもまた、新たな地政学的リスクが生まれようとしている。
  塩原などの鉱山からの採掘以外に、リチウムは海水から抽出するという方法もある。海水には2300億トンというほとんど無尽蔵のリチウムが溶けているんだそうだが、ものすごく薄い(1Lあたり0.1~0.2mg)ので抽出するのが大変。日本や韓国で高効率で抽出する研究が進んでるが、コストがまだ輸入リチウムの5~10倍になってしまうらしい。
  ただ、リチウムは埋蔵量としては潤沢と言えるようで、枯渇の心配は少ないのかもしれない。いまのリチウムイオン電池の価格が高いのは、むしろ正極材料の価格が大きく影響しているからのようだ。現在主流の正極材料はコバルトなのだけど、これがリチウムイオン電池の材料になる金属の価格の7割を占めているそうだ。なので、コバルト以外の正極材料を使ったリチウムイオン電池の開発競争も盛ん。
  ふつうの人がリチウムをめぐる争奪戦や、リチウムイオン電池のコストダウンに直接関わる機会なんてまずないだろうけど、金融商品への投資を通じてなら間接的に関わることができる。たとえばボリビアのリチウム鉱山開発に関わる企業の株を買うとか、リチウムイオン電池に関連する金属が組み込まれた商品ファンドを買うというようなことだ。
  リチウムイオン電池に限らず、これからエネルギーやクリーンテックは面白い動きがたくさんあると思うのだけど、ビジネスとしての規模がでかいので、個人やスモールカンパニーが参入するにはITみたいには敷居が低くない。なので、参入企業の株を通じて、個人的に参入する(あるいは参入してる気分を味わう)のはありだろうなーと思ったりしている。
Photo: CC by gringaespanola