スルーされない広告、スルーされない人生

「自分ごと」だと人は動く――情報がスルーされる時代のマーケティング
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という本を読んだのだが、ところどころなるほどと思うところがあったので、気になった内容をメモしておく(川崎の勝手な解釈も混じってるかも)。
●日本は夫婦と子供で構成される標準世帯が多いという認識はすでに間違いになってしまっている。いまはひとり暮らしのほうが標準世帯より多い(たぶん世帯数がということだろう)。
●大衆→分衆(80年代)→網衆(現在)。

●人間はタグの集合になった。タグは興味・関心。網衆においては、一貫性のあるライフスタイルのかたまりで人を分類できない。たくさんのタグを持っていて、それらはバラバラ。たまたま、誰かと共通のタグがあれば、そのタグに関してはその人との間でコミュニケーションが発生するけど、それ以外のタグはぜんぜん違ってたりする。

●そのブランドのファン自身が参加して「コラボ」するチャンスを設計してあるかどうかが、現在のマーケティングには重要
→「to C」から「with C」へ
●毎日とても処理しきれない情報を浴びている現在の生活者は、それを受け取らない技、つまり「スルー」を身につけている。ひっかかりがなければ即スルー。だからいくらしっかり届けても、スルーされればメッセージは存在しないのと同じ。
→突っ込みどころがあるメッセージは、受け取ってもらえる可能性がある。
→「自分ごと」になるメッセージはスルーされない。
●現在の生活者は広告を信じない。たくさんの人が「自分ごと」と考えた情報(社会ごと)は説得力がある。多くの人々にシェアされている二次情報のほうが、企業が発信した一時情報よりも信頼性が高いと考えられる。
→Twitterのちから
●突っ込みどころ満載で目立つことが、現在有効なコミュニケーションの第一歩。普通の情報は価値が低い。違和感があったほうがいい。
突っ込まれる=相手の発言を引き出しやすい。
●現在の広告は、あえてざらつきを残す、スキマを作っておく、パッケージにしない、など従来とは違う質感を追求している。
●自分ごと になってもらうには、突っ込みに始まった関係を「共感」まで持っていかないといけない。
そんな共感の結び目になるものが「エンゲージメント・テーマ」。(※生活者とブランドとの婚約の約束内容みたいなものか)
●エンゲージメント・テーマはインサイトから見つかる。インサイトとは本人でさえ気がついていなかった内的な意識のこと。
(「そうか、そういえばこういうものが欲しかったんだ」みたいな意識のことか)
●エンゲージメント・テーマを生活者が受け取って共感してもらうために、そのテーマを体験させる「装置」が必要。
→「カゴメやさいしぼり」では
インサイト:現在の30代女性は微妙な野菜の美味しさがわかっている
エンゲージメントテーマ:「お客様ならこのお味がおわかりになるでしょう?」
体験装置:街頭や野菜レストランで試供品を飲んでもらって、おいしい/おいしくない を投票してもらう。Webサイトで速報。
●こういったマーケティング、コミュニケーションの方法は、B to Cだけでなく、社内のプロジェクトを成功させるためや、生活者同士のC to C、生活者から企業に働きかけるC to Bなど、さまざまなケースで有効。
――とまあ、そんなところが気になった本だった。
タグにひっかかる、突っ込みどころのあるメッセージングじゃないと、速攻でスルーされるぞという部分は、以前に電通総研がWebで公開した「『他己ウケ』の時代」というレポートでキーワードとして登場する「絡む」「絡みやすい」という概念とかなり通じているように思った。
 人生にしても仕事にしても、どうしても綺麗にパッケージしたがる傾向があるじぶんなので、これからは突っ込みどころ満載に生きてこうと思ったりした。いや、けっこう本気でそう思った。