具島直子はポスト古内東子か90年代の流線形か

 今日も今日とて福田沙紀のニュー・アルバム『VOICE』を粛々とチェックしていたら、意外な曲との出会いが。終盤に配されているのは、なんと具島直子が96年に発表した”Candy”のカヴァーじゃないですか。オスカープロが誇る80年代的正統派アイドルが、このアダルト・オリエンテッドな90年代クラシックを取り上げたことが唐突に思えて、ちょっとびっくりしてしまいました。彼女の代表作とは言え、決して広く認知されている曲ではないですしね。

 ではまず、そのオリジナル・ヴァージョンを。


具島直子”Candy”

 具島さんは、この”Candy”が冒頭を飾るアルバム『miss G』でデビューしたシンガー・ソングライターであります。AOR~ソウルをベースにした作風や、声質のクセなんかが似通っているからか、古内東子を引き合いに出されることが多いようで。筆者も初めて聴いたとき〈ポスト古内東子〉ってフレーズが浮かんだもんです。

 彼女の楽曲をもう1曲。


具島直子”モノクローム”

 これを聴いて、クニモンド瀧口によるシティポップ・プロジェクト、流線形を想起する人は多いんじゃないでしょうか。実際、↑の関連動画に出てきますし、すんごい似てる。クニモンド氏がプロデュースしたサノトモミの作品にはもっと似てる。具島さんはポスト古内東子というよりも、90年代の流線形だったのかもしれません。流線形は70~80年代のサウンドを巧妙にシミュレートしてるユニットなんで、なんとも倒錯した言い方ですけども。

サノトモミ”サイレントフライト”

 いや~似てるわ。

 彼女はこの手のSSWさんのご多分に洩れず、作家としての楽曲提供もいくつか手掛けてます。↓はノリピーへの提供曲のセルフ・カヴァー。


具島直子”9月の海”

 続いて、奥菜恵による具島さん提供楽曲のライヴ・ヴァージョンを。この曲も”まどろみ”とタイトルを変えてセルフ・カヴァーされてます。

奥菜恵”あなたのそばで”

 なーんてさも知ったように紹介しちゃいましたが、↑の奥菜さん楽曲はネット上のどなたかの書き込みで今回初めて知ったんですけどね。具島さんには熱心なファンが数多くいらっしゃるようで、ちょっと検索しただけで、充実した情報をいろいろ仕入れることができました。俺なんぞがわかったように書いてすいません!

 失礼ついでに私的見解を。やっぱ当連載的なJ-POP視点からすると、具島さんの作品はAORとして本格派過ぎるきらいはあるんすよねえ……好きなんですけども。古内さんを引き合いに出すと、彼女の場合はソウル~AORを踏襲しつつ、メロディー面には歌謡曲的なベタつき感が、アレンジ面には適度な軽さがある。このバランス感を俺は愛でてるなあと。具島さんにあって古内さんにないもの、古内さんにあって具島さんにないもの……なんてことを考える毎日であります。

 最後にもう1曲貼っときます。この曲に佐藤めぐみの超スロー映像を組み合わせるというアップロードした方の謎センスが良いなあと……それだけなんですけど。

具島直子”Love song”