本当に久しぶりにいわゆる総合週刊誌を買ったのだけど、それは週刊朝日(2010年3月5日号)に、藤巻健史が日本経済に対して超弱気に転向したぞという記事が載っていたからだ。藤巻健史は――、
- 今年度、国債発行が過去最大の53兆5千億円に
- これは戦後初めて税収を上回る数字
- 近い将来、国債が売れ残る「札割れ」が起こる
- それにより国債が大暴落
- 日本株も円も大暴落
- 日銀が売れ残った国債を引き受ける
- それによりハイパーインフレ到来
という絵を描いていて、遅くとも来年には日本経済が破綻すると言ってる。フジマキ氏本人は個人的な投資先としてはもう日本株は手放してしまったそうだ。逆に不動産は保持しているそうだ。
うーむ。僕のようなぼーっとした人間は、こうやって言われて初めて、ああそうかーやっぱり日本ヤバいのかも。。。とか思いはじめてソワソワしたりするのだが、まあ聞く人によっては常識なのかも知れない。累積赤字がどんどん膨らんでいることも、返しきれないくらいの国債を発行し続けていることも、誰でも知ってることだし。
文脈は違うが、橘玲も年金制度の破綻について語る過程で、日本の財政破綻を予言している。
日本国の財政状況は日航と同じで、破綻必至のシステムを支えるために莫大な借金をつづけている。これについてはいろいろな意見があるが、無限に借金をすることはできないのだから、いずれは行き詰まるに決まっている。そうすると、次の四つのどれか(あるいはすべて)が起きる。1. 増税(保険料値上げ)2. 年金カット(自己負担増)これを避けるために赤字国債を発行しつづけると、3. 円安4. インフレで調整される。政治的に解決できない以上、それがいつになるかはわからないが、国家財政の危機は必ず起こる。(via 年金激減に備える投資法)
藤巻健史は海外、とくに米ドル資産に逃げろと勧めている。橘玲は、いつもと同様だが、世界市場のインデックスポートフォリオをETFで買うのが「理論上」もっとも正しい投資法だと結論する。
円安とインフレと株安が来るなら、日本円の資産が大幅に目減りするのは間違いないけど、この予言を信じるとしても、2008年の経済危機と円高で懲りている僕らが、果たして海外に積極的に分散投資するという行動に出れるかどうか(僕などまさにこのパターンだ)。
ちなみに前出の藤巻健史の記事では、そのように海外投資に向かわない個人投資家の傾向が長期の円高を招いて、日本経済の低迷を固定化してきたのだと言っている。
(でも藤巻氏はその状況を予測できなかったので、いままで10年にわたって円安が来て日本経済が復興するという強気論を主張していた、ということになる)
写真:Iliazd