「こんな本がこの世にあったのか!」をお裾分け / BOOK ONN――THINKING OF PLEASURE

ヘンだけどチャーミング。オシャレだけど普通じゃない。そんな知られざる名作たちを静かに紹介し続けているオンライン古書店がある。

テキスト:川崎和哉(Spoo! inc.

 「日々増え続ける古本に困って、というのがいちばんの動機かもしれないですね・・・」

 今回紹介するBOOK ONNの店主 中嶋大介さんはオンラインで古書店を始める以前から、かなりの量の古本を買っていた。

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BOOK ONN――THINKING OF PLEASURE
ビジュアル的にユニークな本が充実。
個人の審美眼で厳選された1冊に出会える。

 「毎月50冊?150冊。大きな古本市がある時は、1日に100冊以上買うこともありました。BOOK ONNをはじめる前と後で、買う冊数は変わっていないんですよ。基本的に『仕入れ』という感覚で古本を買わないと決めているんです」

 あくまで個人のコレクションから、本当に自分が気に入った本だけを売っているのがBOOK ONNなのだ。

 「BOOK ONNはより古本の楽しさを味わうためにやっているという部分が大きいのかもしれません」

 だから、ふつうの古書店と違って買ったら絶対に売らない本、というのもたくさんある。

 「売りたくないけどBOOK ONNで紹介したいという本もあります。そういう本は、がんばって2冊目を探して紹介するようにしています」

 そもそもそんなに中嶋さんを夢中にした古本の魅力ってなんなのか。

 「どこにどんな本が隠れているかわからないということ。たくさん古本屋を回っても、欲しい本が1冊も見つからない時もある。でもそれもまた古本の魅力です。古本を買っていていちばん素敵な瞬間は『こんな本がこの世にあったのかっ!』という古本に出会った時。探していた古本が見つかった時ももちろんうれしいですけど、知らなかった本に出会うよろこびに勝るものはないですね」

 中嶋さんは70年代半ば生まれ。70年代以前の古本はリアルタイムで体験していないから、それが古いものだという感覚はないと言う。

 そして、BOOK ONNに並べる本の選択基準は唯一「僕自身が、サイトで販売したい!と思う魅力のある本かどうかということだけかも知れません。感覚的に選んでいますね」

 だからなのか、BOOK ONNはオーソドックスな古書店とも最近多いオシャレ古書店とも違う、独特の存在感を発揮している。多くの人にとっては価値がないけど、中嶋さん及び中嶋さんと共振するセンスを持ち合わせている人にとってはものすごい磁場を放つ本が並んでいる。

 さて。そんな中嶋さんには実はもうひとつ運営しているサイトがある。「ahoaho-expo」。最高に面白いアホアホ本を取り上げて、中嶋さんがそれに突っ込みを入れつつ紹介するというコンテンツだ。

 「BOOK ONNだけでは表現できない部分を補うためにはじめました。どちらも、僕の思いがたっぷり詰まっています。ただ、テイストが全然違うので、戸惑われる方もおられます。でもそれは承知の上ですし、またそれを楽しんでいる部分もあります」

 ahoaho-expoをライブで見れたらすごく楽しいんじゃないですか?

 「それは面白そうですね。機会があれば、ぜひやりたい!」

 ぜひやってください!

◆Profile:中嶋大介
2006年にBOOKONNをはじめる。アホな本を紹介するブログahoaho-expoも2007年からスタート。近頃は日本各地へ旅行するのが趣味。もちろん行く先々で古本屋へも行ってます。

(2008/1/17 執筆)