知られざる音楽シーン「同人音楽」への誘い / 同人音楽にゅ?す

「同人音楽」って知ってますか? インディーズとは別物。アニメや漫画、ゲームと関係の深いこの音楽シーンの概要を教えてもらいました!

テキスト:川崎和哉(Spoo! inc.

 これまで一般の人に認知されることはほとんどなかった同人音楽だが、2007年秋にはガイドブック『同人音楽を聴こう!』(三才ブックス刊)が発売されるなど、一般への広がりの兆しもある。同人音楽の代表的なポータルサイト『同人音楽にゅ?す』のnaoさんに、まずはこのシーンの現在に至る流れから聞いてみた。

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同人音楽にゅ?す
新作やイベント、サイト更新など、同人音楽シーンの動きを
ほぼ日刊で伝える。

 「私が興味を持ったのは2000年以降なので、それ以前のことはほとんど知らないんですが、80年代半ばからFDやカセットテープで作品を頒布してるサークルはあったようです」

 90年代になるとDTMがブームになり、MIDI曲の配布が盛んだったという。90年代後半にはCD-Rで簡単に音楽CDが作れるようになり「音楽的」ムーヴメントも起こる。

 「当時、葉鍵系といわれるゲームが人気だったんですが、その音楽をアレンジした”葉鍵系アレンジ”が流行しました。このあたりが同人音楽のひとつのピークだったようです。2000年前後からは”しもちゃみん”と呼ばれる霜月はるか、茶太、片霧烈火などの女性ボーカルの活動が始まって、ボーカルものが増えていきます。で、オンラインゲームのラグナロク、同人ゲームの東方シリーズのアレンジと流行があって、現在はオリジナルものが増えてます」

 naoさんが感じている、同人音楽の魅力とはどういうものなんだろう。

 「まずは作り手とリスナーの距離の近さでしょうね。即売会などに行けばふつうに『この音楽は私が作りました』『このCDで歌っています』という人からCDを買えますし、感想を伝えることもできます。もっと個人的なことを言えば、自分の好きな音楽がここにしかないということです。もともとオリコン上位に出てくるようなアーティストにはほとんど興味がなかったのですが、自分の好きな音楽を求め続けたらここにたどり着いたという感じです」

 音楽ジャンル的にも多彩だ。

 「いちばん多いのはゲームアレンジですが、ハードコアやロック、メタルなど原曲とはまったく違うアレンジになってるものもありますし、歌をつけてポップスにしてるものもあります。オリジナル系は本当にいろいろですね。ヒップホップはまだないような気がしますが、誰かやってるかも知れません」

  同人音楽シーンの今後についても聞いてみた。

 「著作権問題からアレンジはやりにくい状況ということもあって、しばらくはオリジナル系が増えるのではないかと思います。あとはニコニコ動画や、初音ミクの影響で、新しく活動を始めるサークルが増えるのではないかという予想もしています。

  ニコニコ動画以前から、Flash作家と協力してPVで音楽を公開するというのは同人音楽でもよく行われていました。作られたPVはイベントで上映されたりネットで配信されていますが、今後はニコニコ動画などで音楽を公開し、それに映像作家が映像をつけてPVにし、さらに別の人が新たなアレンジを加えるといった動きが広がるだろうと思います」

 ところでnaoさんは日頃同人音楽のCDをどれくらい聴いてるんだろう。

 「同人音楽のCDだけで年間200枚以上購入してます。一般のCDを聴く余裕はほとんどないですね(笑)」

(2007/12/26 執筆)