日立製作所「Hitachi Next Stories」ほか

証券コード 6501/電気機器

概要

日立製作所は、採用サイトの中に採用専用のオウンドメディア「Hitachi Next Stories」を設置しています。社員が担当業務を語る記事の最後に、その仕事に近い求人への導線を配置。日立の別のメディアの記事を、要約して紹介する記事もあります。その他、コーポレートサイトの中のメディア「インサイト」にも、採用情報ページからリンクしています。

運営しているメディア

Hitachi Next Stories

主なメディア

社員が担当業務を語り、記事の最後にその仕事に近い求人を掲載。

日立製作所のオウンドメディア「Hitachi Next Stories」のトップページ
出典:Hitachi Next Stories(https://www.hitachi.com/ja-jp/recruit/next-stories/)、2026/10/25に取得
運営
日立製作所(本体)
サイト構成上の位置
採用サイト内
最新記事
2026-10-19
記事数
総数 206本/直近1か月 2本(2026/11/5時点)

インサイト

社会課題・技術・ブランドの広報が中心。社員インタビューも。

運営
日立製作所(本体)
サイト構成上の位置
コーポレート内
最新記事
2026-07-24

主なメディア「Hitachi Next Stories」の作り

コーナーの構成

2026年10月27日時点。

  • コーナー
    • キャリアストーリー(94本)
    • プロジェクトストーリー(50本)
    • 技術を語る(45本)
    • 職場のリアル(16本)
  • 事業領域のタグ(4分野)
    • デジタルシステム&サービス、モビリティ、エナジー、コネクティブインダストリーズ
  • 職種のタグ(16種)
    • 研究開発、設計開発、システムエンジニア、品質保証、営業技術、生産技術、ビジネスエンジニアリング、調達、生産管理、営業、知的財産マネジメント、人事総務、事業企画、広報宣伝、法務、経理財務
  • 入社区分のタグ
    • 新卒入社、キャリア入社

記事1本の作り

項目サイト全体の傾向
登場人物1人の記事が中心。「職場のリアル」には、3〜5人が登場する座談会やイベントのレポートもある
名前の書き方姓と名のフルネーム。本文では名字で呼ぶ(「福井は」など)
長さ約3,500〜4,500字
見出し4つが中心。「──」や句点で区切った、長めの文の形の見出し。冒頭に目次がある
話の順番入社のきっかけやこれまでの歩みから始まり、いまの仕事を経て、これからの目標や読者へのメッセージで終わる。時間の流れに沿って語る
語り方書き手の地の文と、本人が一人称で語る部分が交互に出てくる。本人の言葉が本文の7〜8割を占める。質問と答えの形ではない
人物の紹介冒頭に公開日・名前・タグと、リード(約150字)。最後に「〇年〇月時点」と注記
写真・動画写真は5枚(冒頭に1枚、見出しごとに1枚)で、人物が中心。動画はない
採用ページへのリンク登場した社員の仕事に近い求人が1〜5件並ぶ。新卒入社の社員の記事でも同じ。
記事の最後のそのほか共有ボタン(LinkedIn・X・Facebook)、おすすめ記事

採用サイトへのつながり

日立製作所は、採用サイトのトップから Hitachi Next Stories への導線を作り、記事の最後から求人へつないでいます。

  • 採用サイトから: 採用サイトのトップに、Hitachi Next Stories の案内を2か所置いています。ファーストビューのすぐ下のバナーと、スクロールした先の記事一覧へのリンクです
  • Hitachi Next Stories のサイト内の位置づけ: URL は採用サイトの配下にあり、採用サイトの一部として置いています
  • 記事の最後から: 登場した社員の仕事に近い募集職種の、詳細ページへのリンクを並べています
  • インサイトへ: 採用情報ページの「もっと日立を知る」と、Hitachi Next Stories の記事の末尾からリンクしています

設計の読み解き

Hitachi Next Stories は、社員が自分の担当業務を日々の進め方まで詳しく語り、記事の最後でその仕事に合った求人を示すことで、読者を仕事単位で応募につなぐメディアと考えられます。

その詳しさは、他社の採用メディアの記事と比べても際立っています。書き手が仕事の背景を説明し、本人が一人称で経験を語る、という形を交互に繰り返すことで、細かい業務内容の話を読みやすくしていると考えられます。

業務内容を細かく見せているので、記事のあとに並べる求人も、登場した社員の仕事に近いものにできます。読んで生まれた関心を、そのまま応募の検討につなげられる作りです。他社の採用メディアには、新卒のマイページ登録や募集職種の一覧までの案内にとどまるものもあり、それより一階層深い作りと言えます。

記事の中には、日立の別のメディアの記事を紹介するものもあります。「技術を語る」のサイバーセキュリティの記事(2025年9月29日公開)は、要約だけを載せ、「全文はこちら」から、日立のデジタル事業の事例やトピックスを紹介するメディア「デジタルハイライツ」の記事へつないでいます。デジタルハイライツは、主に顧客に向けたメディアと考えられます。社内のほかの部門が発信している記事を、採用の文脈で紹介し直すことで、採用のためだけに書いた記事でなくても、メディアの記事を増やせます。Hitachi Next Stories は、日立がさまざまな場で発信するコンテンツを、採用を軸に束ねる場所にもなっています。DIG UP! NEC にも、同じ形の記事があります。

どんな担当者に参考になるか

社員インタビューは読まれているのに、応募につながっているかが見えない。採用のためだけに、記事の数をそろえるのが難しい。そうした悩みを持つ採用担当者に参考になります。ポイントは2つです。1つは、記事の最後に、登場した社員の仕事に近い求人を記事ごとに選んで並べていること。読み終えた人が、求人を探し直さずにそのまま応募を考えられます。もう1つは、社内のほかのメディアや部門が出している記事を、要約して採用の文脈で紹介していること。新しく取材しなくても、メディアの記事を増やせます。同じ悩みを抱えているなら、この2つを意識してみてください。

スプーの視点

コーナーの構成(プロジェクトストーリー・キャリアストーリー・技術を語る・職場のリアル)は、一般的なお手本になる妥当な構成だと思います。 記事と個別の求人を紐づけているのは、求職者にとっての価値が高い作りです。

細かいことを言うと、個別の求人情報は、通年でページの追加・変更・閉鎖が発生します。それに合わせて、オウンドメディア側のリンクも運用し続ける必要があります。人事部門との密な連携が欠かせません。ただ、それができれば、これだけ価値の高いリンクが作れる、という一つの例になっています。

別のメディアのコンテンツを取り込んでいるところも参考になります。このメディアは「日立がさまざまな文脈で発信するコンテンツを、採用を軸にまとめたハブ」とも言えます。採用のためだけにコンテンツの量を揃えられない、という企業は多いと思います。この「ハブ」という考え方は、他社にも参考になるのではないでしょうか。

監修:林博久(株式会社スプー)

掲載内容の訂正・削除のご依頼は、お問い合わせからご連絡ください。

← 採用オウンドメディア名鑑(上場企業編)の一覧へ