トヨタ自動車「トヨタイムズ」

証券コード 7203/輸送用機器

概要

トヨタ自動車は、広報のオウンドメディア「トヨタイムズ」を、採用にも活用しています。採用サイトのトップの「トヨタを知る」の枠で、トヨタイムズを紹介。会社を知るのはトヨタイムズ、人を知るのは外部サービスの talentbook、仕事を知るのは採用サイトの職種紹介と、役割を分けています。採用担当者によると、入社する方へのアンケートでトヨタイムズを入社のきっかけに挙げる人が多いと語っています。

運営しているメディア

トヨタイムズ

トヨタが自分の言葉で語りかける広報メディア。

トヨタ自動車のオウンドメディア「トヨタイムズ」のトップページ
出典:トヨタイムズ(https://toyotatimes.jp/)、2026/10/25に取得
運営
トヨタ自動車(本体)
サイト構成上の位置
独立ドメイン
最新記事
2026-10-23
記事数
総数 939本/直近1か月 6本(2026/11/5時点)

主なメディア「トヨタイムズ」の作り

コーナーの構成

2026年10月28日時点。

  • 記事
    • 新着
    • 最近のトヨタ(ニュース)
    • 連載(259本)
    • コラム
  • カテゴリ
    • 経営・スポーツ・クルマ・テクノロジー・コーポレートの5つ
  • 番組
    • トヨタイムズニュース(毎週月曜日配信)
    • トヨタイムズビジネス
    • トヨタイムズスポーツ(毎週金曜日の生放送)
    • トヨタイムズPodcast
  • 働く人を扱う主な連載
    • 日本のクルマづくりを支える職人たち(77回)
    • アスリートを支える人々(23回)
    • 継承者(22回)
    • トヨタ工場の継承と進化(12回)
    • 評価ドライバーとは(12回)
    • 創意くふう(10回)
    • nonシナリオ(職場への密着。8回)
    • かけがえのない一日(販売店のスタッフ。7回)
    • トヨタの起業家たち(6回)
    • 全員活躍をどう実現するか(2回)

記事1本の作り

項目働く人を扱う連載の傾向
登場人物匠と弟子、評価ドライバーとエンジニア、改善に取り組んだチームなど、仕事に関わる複数の人が登場することが多い
名前の書き方フルネーム。本文では名字で呼ぶ(「高野は」など)
長さ文章が中心の記事は約3,500〜5,500字。動画が中心の連載(nonシナリオなど)は数百字
見出し3〜6つ。冒頭に目次(INDEX)がある。動画が中心の記事には見出しがない
話の順番仕事・技術・改善などのテーマから入り、本人の歩みは途中で語る。前後編に分ける連載では、前編の最後に後編を予告する
語り方書き手の地の文が中心で、本人の発言を「」で挟む。質問と答えの形ではない
人物の紹介冒頭のリード(約50〜110字)は記事のテーマの紹介。人物は本文の中で、所属・役職とともに紹介する。「〇年〇月時点」の注記はない
写真・動画写真が多く、10枚を超える記事が多い。作業の工程や現場の様子を見せる写真が中心。YouTube の動画を本文に置く記事もある
採用ページへのリンク原則としてない。採用情報へのリンクは、どのページにも共通のフッターにある
記事の最後のそのほか関連リンク(同じ連載の過去の回・前後編)、共有ボタン(Facebook・X・リンクのコピー)、おすすめ記事

採用サイトへのつながり

トヨタ自動車は、採用サイトとトヨタイムズを相互にリンクしています。

  • 採用サイトから: トップの「トヨタを知る」の枠に、会社紹介と並ぶカードでトヨタイムズを紹介しています
  • トヨタイムズから: フッターに「キャリア採用情報」「新卒採用情報」の2つのリンクで採用サイトに誘導しています
  • 記事の最後から: 基本的に、直接採用ページへのリンクは無いようです(後編の予告や関連記事、おすすめ記事へのリンクを設置)

設計の読み解き

トヨタイムズは、会社が自分の言葉で語りかける広報のメディアです。コンセプトは「トヨタの応援団をつくること」で、トヨタ自動車の内側をステークホルダーに直接届けるメディアと紹介されています。主役は働く人ではなく会社そのもので、経営・クルマ・テクノロジーなどのカテゴリの記事と、毎週配信する番組で、会社の今を伝えています。読者として想定しているのも、トヨタで働くことを考える人に限らず、株主・顧客・ファンまで含む、トヨタに関心を持つ人全体です。そのため記事は会社の話題が軸で、職種や入社区分で記事を探す仕組みはありません。

採用担当者は、入社者のアンケートでトヨタイムズを入社のきっかけに挙げる人が多いと語っています。記事に採用への導線を置かなくても、広報を続けた結果として、採用にも効いています。

採用サイトは、応募の手前で必要な「人を知る」役割を、広報のメディアに混ぜずに外へ出す形で作られています。社員インタビューは、外部サービスの talentbook に置いています。会社を知るのはトヨタイムズ、人を知るのは talentbook、仕事を知るのは採用サイトの職種紹介、という3つの分担です。この分担があるので、トヨタイムズの記事の最後には、採用ページへのリンクがありません。

一方で、トヨタイムズには、社内に向けた役割もあります。メディアを運営するリーダーは、世界で約36万人が働く会社では、社内報を回覧するような従来のやり方では足りないと語っています。そこで情報をウェブに公開し、社内・社外の区別なく、誰でも見られるようにしました。職人を紹介する連載「日本のクルマづくりを支える職人たち」は、77回まで続いています。こうした働く人を取り上げる連載は、社員が互いの仕事を知るきっかけにもなっていると考えられます。

どんな担当者に参考になるか

すでに広報のメディアを持っていて、採用のために別のメディアを作るか迷っている。グループ会社が多く、社員が互いの仕事を知る機会が少ない。そうした悩みを持つ担当者に参考になります。ポイントは2つです。1つは、広報のメディアに採用の役割を足さず、採用サイトの側から案内していること。働く人を扱う連載を広報のメディアの中で続ければ、採用のための記事を別に用意しなくても、応募を考える人に会社の現場を見せられます。もう1つは、社外に向けた記事を、社員が自分の会社を知る記事としても生かしていること。グループ各社の仕事や人を取り上げる記事は、同じグループの社員が互いの仕事を知るきっかけになります。会社の規模を問わず取り入れられる考え方です。同じ悩みを抱えているなら、この2つを意識してみてください。

スプーの視点

トヨタイムズを見て思うのは、採用オウンドメディアにも、社内に向けたコミュニケーションの側面がある、ということです。社員が何を考えているか、どう働いているか、キャリアをどう考えているか、会社が社員に何を求めているか。これらは入社を考えている人へのメッセージであると同時に、いま働いている社員へのコミュニケーションにもなります。

監修:林博久(株式会社スプー)

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