SNS時代のミュージシャンたちの戦略

SNSの利用が当たり前になっている今の時代。ミュージシャンたちも単純に情報を発信するだけでなく、手を替え品を替え様々な手法のプロモーションをSNS上で積極的に行っています。

Twitter上の“芋煮会”とプロモーション効果

たとえば気鋭のシンガー、清浦夏実と元Cymbalsの沖井礼二によるバンド、TWEEDEES。彼らはリリースするたびにTwitter上で“芋煮会”と題した、決まった時間にメンバーとファンが一斉に新譜を再生し、感想を共有したり、メンバーが楽曲の製作時やレコーディング時の様子を教えてくれたりという催しを実施しています。

ツイートする内容によってはメンバーが返信をしてくれることもあり、これまで読むだけの一方向だったライナーノーツが双方向になったかのよう。

もちろんTWEEDEESの場合メンバーの人柄もあると思いますが、話がどれも面白いので「次作でも参加したいから絶対にCDを買おう」とファンの購買意欲にも繋がっているはず。

またTwitterを使っているという点もクレバーだなと思います。たとえば同じ催しをLINE LIVEやInstagramのライブ配信でやってもいいわけですが、それだとクローズドになってしまい、能動的にやってきたファン以外には届きません。

Twitterの場合、ほんの数%でもたまたま感想ツイートを見て「楽しそう! まず聴いてみよう!」と思う人がいたら新たなファンを獲得できます。また参加者は必ずハッシュタグをつけてツイートし、毎回トレンドに「#TWEEDEES」が入るので、その面でも彼らにとっては十分なプロモーションに繋がっているのでしょう。

具体的な感想が拾える”1曲ずつ配信”

一方、11月にメジャーデビューを果たしたばかりのバンド、Lucky Kilimanjaroは、これからのリリースのあり方に一石を投じたのではないかと思います。

これまでアルバムのリリース時によく取られたプロモーション手法としては、先行シングルの発売、ダイジェスト版の公開などがありましたが、彼らは収録曲を毎週1曲ずつ配信し、発売日にはすでに全曲聴ける状態にしていました。

LuckyKilimanjaro-OfficialWEB
引用:Luck Kilimanjaro公式Webサイトより

1曲ずつ公開するという手法で感心したのは、従来からよく見られる「アルバム聴いた! 超良かった!」というアルバム全体に対する漠然とした感想ではなく、「この曲のこういうところが好き」といった具体的な感想を拾え、ライブの曲順決めに使ったりできるということ。また、リスナーからの反応が良かったものをMVとして制作することで、アーティストのプロモーション活動を効果的に行えること(彼らがそうするかどうかは別として)。

発売時に収録曲がすべて聴ける状態になっていることはCDの購買につながるのかという議論はこれからなされていくはずですが、特にこれから売り出していこうという若いバンドにとっては、ファンの反応を見るうえで非常に有効な手段なんじゃないかなと思います。

もしかしたらあなたの一言が…?

真偽は定かではないですが、もはやガッツリとしたプロモーションは不要な大物でも意外とエゴサをしているという噂もあるので、これからもSNSはプロモーションの場としてどんどん使われていくことでしょう。

ひょっとしたらSNS上で何気なく発した一言が、好きなミュージシャンの次の戦略に採用される……なんてことが起こっても不思議ではない世の中。何か思いついたら躊躇せずに呟いてみては?