アプリ版「ぴあ」が提供する雑誌的な「偶然の出会い」

映画やライヴの情報をいい具合に提供してくれるウェブサービスを長いこと探し求めておりまして、過去にこの枠でも触れたことがあったのですが、先日、この分野の老舗メディアとして知られていた「ぴあ」がスマホアプリとして復活。現在、テスト版が運用されています。

pia引用:ぴあ テスト版サイトより

テスト版「ぴあ」は、映画、ステージ(舞台)、アート、音楽などのカテゴリーごとに情報を発信。各ジャンルのニュースがあり、映画であれば上映中/今後上映される作品がチェックできます。ロードショーも名画座のプログラムも網羅しており、現在地の近隣で何が上映されているかもわかります。上映作品に「みたい」「みた」のチェックを入れ「マイノート」という機能で管理するシステムになっています。

使っていて気になったのが、検索機能がないこと。ただ考えてみれば、検索で情報を得ようとするのならGoogleの方が手っ取り早いわけで、このアプリにおいては意図的に検索的な機能をオミットしているのでしょう。実際のところアプリのサイトでは、「〈ぴあ〉ならではの歓び」として「検索ではたどり着けない出会いと発見」を謳っています。

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この「出会いと発見」を提供するためのコンテンツを豊富に取り揃えていることも大きな特色でしょう。各ジャンルごとの評論家やライターが「水先案内人」として作品やイベントを紹介しているほか、連載コンテンツの充実っぷりも目を惹きます。その執筆陣は大林宣彦、ピーター・バラカン、小西康陽、松任谷由実(予定)などなど。個人的にもおもしろく読んだ黒沢清監督の「10人の映画監督を語る」はSNS上でも大きな反響を呼んでいました。いまのところ、こういった読み物コンテンツがアプリへのいちばんの導線として機能している印象です。

つまるところ、かつての「ぴあ」が担っていた「未知の情報と偶然出会う場を提供する」という雑誌ならではの役割にフォーカスしたのがこのアプリなのでしょう。アプリでありながら表紙があり、それは雑誌「ぴあ」から引き続き及川正通が手掛けています。お馴染みの投稿コーナー「はみだしYOUとPIA」も復活。どこまでも雑誌的なサービスというわけです。

IMG_7201表紙は8月号のもの。雑誌のように毎月変化する。

まだテスト運用中で機能が限定されており、エリアも首都圏版のみですが、秋以降に他のエリアも対応する予定とのこと。いまのところ、自分の希望にかなり沿ったサービスなので、正式ロンチと今後のアップデートにも期待しております。