人の力と機械を融合してグーグルを超える!? / 橋本大也

90年代からネット最前線で活躍し続けるキーパーソン。橋本大也さんがいまこれが新しいと思っているインターネットのサービスとは?

テキスト:川崎和哉(Spoo! inc.

 橋本大也さんのことを説明するには少々字数がいる。日本を代表するブロガー。いくつものユニークな会社をやってる人。ITコンサルタント。でも本人の言葉を借りると「インターネットの面白いことや新しいことを見つけるのが大好きで、自分が見つけたテクノロジーや人を結びつけて事業にする」ことを「ずっとやってきた」人ということになる。

 そんな橋本さんに、これからインターネットで「来る」のは何?という直球な質問を携えて会いに行った。「動画をメタデータで管理する」ということに橋本さんはすごく注目しているそうなのだが、それができるとどんな面白いことがあるんだろう。

「僕の会社でメタキャストというのがあるんですが、そこがTAGIRIっていうアプリを提供してるんです。パソコンでテレビ録画をすると15秒おきのサムネイルで管理できるんですけど、と同時に背後にテレビを24時間全局見てテキストで書き起こしているチームがあって、そのデータによってテレビの映像を検索したり頭出ししたりできるんです。

 それから、TAGIRIツールバーっていうのもあって、これを入れておくと、今見ているYouTubeなどの動画をボタンひとつでダウンロードできる。これが30万ダウンロードを超える人気なんです。で、このツールバーを入れている人が、どんな動画を見ているかっていうことが共有できるので、それを活用してSAGURIっていう動画検索サービスも作りました。ツールバーを入れている30万人が見ているものだけを検索するので、世の中で話題になっている動画だけを見つけることができるんです」

 ここで橋本さんがやろうとしてるのは、Wikipediaのような人の力(集合知)と機械の力(テクノロジー)を融合する、ということ。

「この人は美人だとか、面白いといったことは人間には0.1秒でわかるけど機械にはわからない。そういうことをうまく引き出していくとGoogleを超えるものを作れるんじゃないかと思ってるんですね」

 そして橋本さんは画像や映像が持っている「イメージを喚起する力」にもとても注目している。

「imaginiっていう海外のサービスには可能性を感じました。15枚づつ写真を見せられて、芸術とは? 音楽の聴き方は?とか聞かれる。イメージに合ったものを選んでいくとその人のビジュアルDNAが診断されて、相性の合う人を紹介してくれたりする。ふつうのアンケートじゃ答えないようなことを、綺麗な写真によってうまく選ばせているんです。

 これからはいかにして人の頭の中を刺激して情報を引き出すか。そして、引き出したコミュニケーションのログが重要になると思ってます」

 ほかにもTAGGYやPodcastleといった面白いサイトを紹介してもらったのだけど、ここで触れるには字数が足りない。これらも橋本さんの言う集合知と機械との融合の好例なので、検索してチェックしてみてほしい。


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情報考学 Passion For The Future
人文、社会、科学など幅広い分野の書評とITの話題が毎日更新される橋本氏のブログ。

Profile:橋本大也
1970年生まれ。ITビジネスの起業家、コンサルタント。データセクション株式会社の代表取締役を筆頭にいくつものIT企業の取締役を務める。著書に自身のブログをまとめた『情報考学―WEB時代の羅針盤213冊』がある。