Cross-Checkを改造してベルトドライブにしてみた。【その1 フレームを切断して、金具で接続する】

北米のパシフィック・ノースウェスト・エリアとヨーロッパに限定されるらしいのだけど、コミューターバイク(街乗り自転車、通勤自転車)のシーンで数年来ベルトドライブが少しづつ注目されてきている。世界中のフレームビルダーや独立系の自転車メーカーが参加するNAHBS(北米ハンドメイド自転車ショー)でも、ベルトドライブをインストールした作品を見かけるようになった。

なぜ、ベルトドライブか?

たぶんここで「ベルトドライブって、あの昔ママチャリにあったやつ? なんか遅そう」というイメージを持つ人は少なくないと思う。僕もそうだったのだが、いま静かに広がりつつあるベルトドライブは、そういう日本でのイメージとはだいぶ違う。MTBを中心にレースでも採用されていて、少なくともメーカー的には、チェーンよりも進化したドライブシステム、という打ち出し方になっている。

現状、こうしたベルトドライブはほぼ独占的に、Gates社のCarbon Driveのことを指す。

タイヤメーカーとして知られるContinentalが2013年に自転車のベルトドライブに参入するそうで、これにより初めての大手コンペチターが生まれることになる。

しかし、なぜベルトドライブなのか? Gates社によると、

クリーンで、静かで、スムーズに動作する。
潤滑油などを使わず、メンテナンスフリー。
チェーンの2倍長持ちするくらい丈夫で、泥や雪に強い。
しかもたいていのチェーンより軽い。

とのこと。

これがすべて本当だとしたら、チェーンよりも全然ベルトドライブのほうがいい、ということになってしまう。そして、いいんだったら、いい方がスタンダードになるべきだ。
でも、本当だろうか。実際のところどうなんだろう、ということで、ベルトドライブの自転車に乗ってみたくなった。

それが今回、僕がベルトドライブの自転車を組むことにした動機だった。

ベルト仕様にするフレームの条件

ベルトドライブがインストールされた自転車を買う、というのがもちろんいちばん簡単な選択肢だ。が、日本で販売されているベルトドライブ仕様の自転車はまだすごく限られているし、米国から輸入すると輸送コストがたいへんなことになる。そこで今回は、自分で手近なフレームを改造して、ベルトドライブ仕様にすることにした。

実はベルトドライブには、普及の足かせになってると思われる大きなハードルがひとつある。それは、フレームの後ろ三角のどこかに、必ず「切れ目」が1カ所ないとベルトをインストールできないということ。
ベルト自体は切れ目のないループなので、フレーム側に切れ目が必要なのだ。普通のフレームには、そんな切れ目はない。
この切れ目があることと、ベルトにテンションをかけられるように、リアエンドに「引き幅」があることが、ベルトドライブをインストールする条件になる。

今回の改造のベースにしたのは、SurlyのCross-Checkだ。
Cross-Checkのリアエンドはカンパニョーロエンドのように引き幅があるので

ベルトにテンションをかけられるし、素材がクロモリなので切断して部品を溶接するのにも適している。そしてなにより、先例があった。

米国ミネソタ州のサイクリストがCross-Checkを改造して、その過程をブログに書いていたのだ。このDougさんは自分のバイクをBelt Checkと命名してロゴステッカーまで作っていた。

フレームを切断してベルトを通せるようにする

当初僕は、手持ちのSOMA Double Crossのフレームのリアエンドを切断して、丸ごと取り換えてしまおうと思っていた。Civia CyclesのBryantというベルトドライブ仕様の自転車に採用されているリアエンド部品を取り寄せたのだが、
僕のフレームとはサイズ的な相性の問題があって、この改造は無理だった。

そこでDougさんのやり方を真似して、右側のシートステイを途中で切断し、そこにParagon Machine Worksという部品メーカーのチューブ・スプリッター(型番 MS1035)を溶接。ベルトをフレームに通した後でボルトで固定できるようにすることにした。
部品の価格は $34.28。送料が$38.00だった。

切断と溶接は残念ながら自分ではできないので、練馬区関町のカスタムができる自転車ショップ「サクラジテンシャ」に頼むことにした。
切断したフレームの接続部分に横から穴を空けてそこを溶接する、とサクラジテンシャの店長が工作前に言ってたので、たぶんそういう工作がされてるんだと、思う。工作後に取りに行ったときは店長と話せなかったので未確認なのだが。
工賃は塗装を入れて2万円くらいだった。

工作前。

工作後。

ボルトを外してグッと力をかけるとベルトが通せる。

これで、フレームの改造が完了した。

 

【その2 部品を手に入れて、組み立てる】に続く。

※この記事を読んで自分もやってみようという方がいたら、くれぐれも改造は自己責任でお願いします。あなたの自転車が壊れてしまっても、あなた自身が怪我をしたり、死んだりしても、僕は一切、責任を負いません。